キルトメープルのハンドプレーンが完成しました

とにかく硬くて作業性は悪いが非常に美しいキルトメープル(カナディアンカエデ)からハンドプレーンを完成させました。

この素材は弦楽器用の音響効果と見た目のパフォーマンス性が優れるということでまとめ買いをした素材でしたが、よく画像を見るとわかりますが節目がストラップベルトの若干後方に表から裏側にかけて存在しているために、楽器用としては消音の要素が考えられ使用することができない立場にありました。

木材で硬い素材=重いということになりますが、重いからといってハンドプレーンに用いることができないことはないのでこの素材で制作することにしました。実は120gの超軽量のハンドプレーンを制作したことがありますが、実際に使用してみると軽ければ良いというものではありませんでした。また、ウインドサーフィンをやっていたころにはテイクオフ後のプレーニングに入ってからはある程度重量があるシンカータイプのボードの方が安定するという経験もしていたので今回制作に入りました。

ある程度自慢が出来る日本の和鉋を研いで臨みましたが日本古来から使用されていた杉とはかなり異なり、キルトメープルは写真でわかるようなキルト状の不規則な杢(カーリー)があるので、カエデ原産国で使用されている西洋鉋を引っ張りだしてきてシェイプを試みましたが和鉋より少しましな程度だったので、のみで荒掘り→アラカンでのみの山を削る→スクレーパーでのみの山を落とす→サンドペーパーで仕上げの5段階工程で作業をしました。そのため、シェイプ作業だけで5日も要してしまいました。ストラップホールを開ける作業も半日を要してしまいました。

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インレイはブラックウォールナットで切り出しを行い埋め込みました。埋めるために掘る作業は今回の様に硬い素材の方がスムーズに行えます。

このハンドプレーンは幅が狭いので、その分全長を多少長めにしてノーズカットで接水面を増やす技法で制作しています。来週にはテストライディングに入りボード理論の検証をしたいと思います。

最後に思い出しましたが、メープルは非常に丈夫なため高級なSK8のボードの素材として珍重されています。